飲食店営業許可の起点は、内装工事の着工前に行う保健所への事前相談です。押さえるべき点は2つあります。千葉県食品衛生法施行条例が定める施設基準を満たす設備をつくることと、施設ごとに食品衛生責任者を置くことです。この2つを工事の後から直すのは現実的ではないため、順番を間違えると開業が数か月ずれます。
この記事では、飲食店営業許可の全体像を整理します。どの業態が該当するのか、令和3年6月1日の法改正で何が変わったのか、千葉県の施設基準は何を見られるのか、必要書類と手数料、申請から許可までの流れ、許可後の更新と変更届までを、条文と千葉県・千葉市の公表資料に沿って確認します。
電子申請の操作と納付の詳細は飲食店の営業許可と電子申請にまとめています。ここでは「何の許可を、どの基準で、どの順番で取るか」に絞ります。
飲食店営業許可とは|食品衛生法の許可営業のひとつ
飲食店営業許可は、食品衛生法第55条第1項に基づく許可です。同項は、第54条に規定する営業を営もうとする者は都道府県知事の許可を受けなければならないと定めています。飲食店営業は、この許可が必要な業種のひとつという位置づけになります。
業種の一覧は食品衛生法施行令第35条にあり、全部で32業種です。飲食店営業はその第1号に置かれています。飲食店営業そのものの定義は、同令第34条の2第2号の「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」が第35条第1号にも当てはまる形で示されています。調理した食品を客に提供する営業、というのが中心です。
許可権者は都道府県知事等です。千葉県では、施設の所在地を管轄する保健所が窓口になります。ただし千葉市・船橋市・柏市は、それぞれ市が設置する保健所であり、県とは別の組織です。この3市に店を出す場合は、県の保健所ではなく市の保健所に申請します。
許可には有効期間があります。法第55条第3項は「五年を下らない有効期間」と定めており、期間は施設の構造・設備を審査して決まります。厚生労働省の資料では、5年から8年に設定する自治体が多いとされています。自分の許可が何年になるかは、交付された許可証の記載で確認してください。
もうひとつ押さえるべき原則が「一施設一許可」です。1つの施設で複数の業種にわたる食品を扱う場合、原則として業種ごとに許可が必要になります。令和3年の改正では、この原則を緩める方向で業種の範囲が見直されました。
飲食店営業許可が必要になる業態
「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」に当てはまるかどうかで判断します。店の看板や業態名ではなく、調理をして、客がその場で飲食できる設備があるかが見られます。
飲食店営業に該当するのは、レストラン、居酒屋、カフェ、喫茶店、スナック、バー、ラーメン店、焼肉店、定食屋などです。設備を設けて客に飲食させる形態であれば、業態名は問いません。キッチンカー(自動車で調理して提供する営業)も飲食店営業に含まれ、施設基準に特例があります。屋台・露店や催事場の臨時店舗も飲食店営業ですが、千葉県では別の取扱要綱で運用されています。
一方、製造した食品を包装して販売する形態は、飲食店営業ではなく製造業の許可になります。パンや菓子の製造販売は菓子製造業、そうざいの製造はそうざい製造業です。飲食店営業の施設で調理した食品を持ち帰り用に販売することはできますが、包装して継続的に卸売する場合は製造業の許可が必要になります。この線引きはパン屋の開業に必要な許可で詳しく整理しています。
居酒屋として開業する場合の業態選びと風営法の関係は居酒屋開業に必要な許可に、そうざい製造業の基準はそうざい製造業の許可に譲ります。
酒類の扱いも整理しておきます。飲食店営業の許可があれば、店内で客に酒類を提供するために酒類販売業免許を別に取る必要はありません。国税庁も、飲食店が店内で提供する場合は免許不要と案内しています。ただし未開栓のボトルを小売する場合は酒類販売業免許が必要で、この区分は酒類販売業許可で解説しています。
深夜まで酒類を提供する場合は、食品衛生法とは別に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第33条の「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出が公安委員会に必要です。深夜とは午前0時から午前6時までを指します。この届出は許可ではなく、営業所ごとに届け出る制度です。詳細は深夜酒類提供飲食店営業の届出にまとめています。
| 業態 | 必要な許可 |
|---|---|
| レストラン・居酒屋 | 飲食店営業 |
| カフェ・喫茶店 | 飲食店営業 |
| スナック・バー | 飲食店営業 |
| キッチンカー | 飲食店営業 |
| 屋台・露店 | 飲食店営業 |
| パンの製造販売 | 菓子製造業 |
| そうざいの製造 | そうざい製造業 |
| 酒類の小売 | 酒類販売業免許 |
令和3年改正で変わったこと|喫茶店営業はもう存在しない
食品衛生法の営業許可制度は、令和3年6月1日に大きく変わりました。許可業種は34業種から32業種に再編され、飲食店営業の位置づけも変わりました。古い解説記事をそのまま参考にすると、存在しない業種で動いてしまうので注意が必要です。
最も影響が大きいのが喫茶店営業の扱いです。改正前は飲食店営業と喫茶店営業が別の業種でしたが、改正後は喫茶店営業が飲食店営業に統合され、独立した業種として現存しません。喫茶店やサロンとして営業する場合も、取得するのは飲食店営業許可です。「喫茶店営業許可」で検索して見つかる手続きの案内は、改正前の情報である可能性があります。
同じように、あん類製造業は菓子製造業に、みそ製造業としょうゆ製造業は「みそ又はしょうゆ製造業」に統合されました。逆に、漬物製造業・水産製品製造業・液卵製造業・食品の小分け業は新たに許可業種になり、乳類販売業・氷雪販売業などは許可から届出に移りました。
改正の考え方は2つです。ひとつは食中毒リスクに応じた再編、もうひとつは一施設一許可の徹底です。1つの許可業種で扱える食品の範囲が広がり、たとえば菓子製造業の許可がある施設で調理パンを製造する場合、そうざい製造業や飲食店営業の許可は不要になりました。
あわせて営業届出制度が創設されました(法第57条)。32業種の許可が必要な営業以外は、原則として保健所への届出で営業できます。届出には施設基準がなく、許可証も交付されません。許可と届出のどちらになるかは、扱う食品と営業の形態で決まります。
経過措置もあります。改正前に喫茶店営業の許可を受けていた店は、本来の有効期間が満了するまでは新たな許可を取らずに営業できます。ただし、この期間中に求められる衛生管理は旧基準のままで、HACCPに沿った衛生管理は猶予されません。
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 喫茶店営業 | 飲食店営業に統合 |
| あん類製造業 | 菓子製造業に統合 |
| みそ製造業・しょうゆ製造業 | みそ又はしょうゆ製造業に統合 |
| 乳類販売業 | 営業届出へ移行 |
| 氷雪販売業 | 営業届出へ移行 |
| 漬物製造業・液卵製造業 | 新たに許可業種に |
施設基準|千葉県条例が見るポイント
施設基準は、食品衛生法第54条が都道府県に条例で定めることを義務づけています。千葉県では「千葉県食品衛生法施行条例」の別表第一が基準です。共通の基準と、飲食店営業の業種別基準の両方を満たす必要があります。
最初に断言しておきます。千葉県の条例には、床面積や調理場面積の数値基準がありません。共通基準にあるのは「食品又は添加物を取り扱う量に応じた十分な広さを有すること」という書き方です。何坪以上という線引きを探しても見つかりません。判断は、提供する料理の数と工程に対して動線と作業スペースが足りるかという実質になります。
数値より重いのが区画です。条例は、住居その他食品等を取り扱うことを目的としない室や場所が同一の建物にある場合、それらと区画されていることを求めています。住居部分と店舗が同じ建物であれば、間仕切りで区画されている必要があります。自宅の台所をそのまま店として使う形は、この基準で止まります。
手洗い設備は、従事者の手指を洗浄・消毒する装置を備えた流水式のものを、必要な個数だけ設けます。水栓は、洗浄後の手指が再汚染しない構造でなければなりません。千葉市は施設検査のポイントとして、レバー・足踏みペダル・センサーなど、手指で触れずに開閉できる構造を挙げています。
床面と内壁は、清掃・洗浄・消毒がしやすい材料と構造にします。水を使う施設では、床面は不浸透性の材料で排水が良好であること、内壁は床面から汚染されやすい高さまで不浸透性の材料で腰張りすることが求められます。冷蔵・冷凍設備は「必要に応じて」設け、温度計を備えます。
| 広さ 取り扱う量に応じた十分な広さ。面積の数値基準は条例にない |
| 区画 住居など食品を扱わない室・場所とは区画されていること |
| 床・内壁 清掃しやすい材料。水を使う場所は不浸透性・腰張り・排水良好 |
| 手洗い 流水式で必要な個数。レバー・足踏み・センサーなど再汚染しない水栓 |
| 排水 十分な排水機能。汚水の逆流を防ぐ配管で施設外へ排出 |
| 冷蔵冷凍 必要に応じて設置。温度計を備える |
| 便所 作業場に汚染の影響を及ぼさない構造。専用の流水式手洗い付き |
| 更衣 従事者の数に応じた広さ。作業場への出入りが容易な位置 |
| 廃棄物 不浸透性でふた付き。汚液・汚臭が漏れない構造 |
| 洗浄用具 専用の用具を必要数備え、保管場所を設ける |
基準には緩和もあります。飲食店営業のうち、盛り付けるだけ、そうざいの半製品を加熱するだけといった簡易な営業では、床・内壁の不浸透性、排水設備の床面設置、冷蔵設備の施設外設置、区画の4点が緩和されます。この簡易な営業には喫茶店営業も含まれると条例に明記されており、小規模なカフェはこの規定の対象になり得ます。
キッチンカーの場合は基準が別建てです。自動車で調理する営業は、床・排水・便所・更衣の基準が適用されない代わりに、1日の営業量に応じて約40リットル、約80リットル、約200リットルの水を供給し、同量の廃水を保管できる貯水設備が必要になります。
千葉市は、施設検査で次の11項目を確認すると公表しています。事前に自分で確認しておくと、再検査を避けられます。
- 作業場に固定された間仕切り・区画戸がある
- 天井・内壁・床が清掃しやすい材質と構造になっている
- 窓や出入口に網戸など、ねずみ・昆虫の侵入防止設備がある
- 流水式洗浄設備の給排水が蛇口と配管に直結し、正常に機能する
- 洗浄・消毒設備を備えた流水式手洗いを必要な個数設けている
- 洗浄剤・殺菌剤を食品と区分して保管する設備がある
- 冷蔵庫・冷凍庫に温度計を備えている
- ふた付きの廃棄物容器がある
- 清掃用具とその収納設備を作業場専用に備えている
- 清潔な更衣室(ロッカー等)がある
- 水道水以外を使う場合、残留塩素濃度0.1mg/L以上を確保している
食品衛生責任者とHACCP|2つ目の必須要件
食品衛生責任者は、食品衛生法施行規則の別表第17第1号に定められた設置義務です。営業許可を受ける施設ごとに1名を定め、申請書に氏名・資格の種類・受講した講習会を記載します。責任者がいないと申請自体が整いません。
責任者になれるのは、資格を持つ人か、養成講習会を修了した人です。千葉県は12の区分を案内しています。調理師、製菓衛生師、栄養士・管理栄養士、船舶料理士、食品衛生管理者、食品衛生監視員、と畜場法の衛生管理責任者・作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者、食品衛生指導員養成講習会の修了者、職業訓練の「調理科」修了者、知事が行う養成講習会の修了者、知事が同等と認定した人です。
資格がない場合は、養成講習会を受けます。千葉県では公益社団法人千葉県食品衛生協会に委託して開催しており、集合型とeラーニングの形態があります。開業予定日から逆算して、早めに受講しておくのが安全です。
責任者を変更したときは、変更届を提出します。かつては責任者票を保健所が発行し、施設内に掲示する運用でしたが、令和3年5月末でこの運用は終わり、掲示は法律上の義務ではなくなりました。千葉市は現在も許可証と責任者氏名の掲示を案内していますが、義務と案内は分けて理解しておいてください。
HACCPに沿った衛生管理は、食品衛生法第51条第1項に基づく義務です。飲食店は、大規模な製造施設と同じ7原則12手順ではなく、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で足ります。具体的には、施設の衛生管理と料理ごとの重要ポイントを衛生管理計画にまとめ、手順書を作り、実施した記録を残します。
記録は、更新のときにも効きます。営業許可の継続申請では、HACCPの取組の種別を記載する欄があり、日々の記録が衛生管理の実施を裏づけます。様式を埋めるためだけの計画ではなく、厨房で使える形にしておくのが実務的です。
必要書類|千葉県と千葉市の違い
必要書類は、千葉県の保健所に出す場合と、千葉市保健所に出す場合で一部異なります。共通するのは、申請書、施設の構造と設備を示す図面、水道水以外を使う場合の水質検査成績書、申請手数料の4点です。
千葉県の案内では、図面は特定の様式がなく、手書きでも構いません。設備や器具の位置を書き込みます。水質検査の成績書は、直近1年以内の結果で、写しの提出でも受け付けられます。井戸水などを使用する場合は、事前に水質検査を受け、基準に適合していることを確認します。
千葉市の場合は、申請書が様式第7号(1枚両面)と指定されています。図面は設計図の写しでも構いませんが、設備の配置が分かるように追記します。水質検査結果書は11項目の水質基準に適合したものが必要で、1年以内に実施したものに限られます。手数料は現金を持参します。
記入時の注意点もいくつかあります。法人が申請する場合は法人番号の記載が必要です。食品衛生責任者が養成講習会の修了者である場合は、取得した自治体名と取得年月日を書きます。鉛筆や摩擦で消えるペンで書いた申請書は受理されません。
押印と署名は、令和3年4月1日から不要になりました。押印欄が残っている様式でも、押印なしで提出できます。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 申請書 | 千葉市は様式第7号。法人は法人番号、講習会修了者は自治体名と取得年月日 |
| 図面 | 設備・器具の位置を記載。手書き可、設計図の写しに追記でも可 |
| 水質検査 | 水道水以外を使う場合。直近1年以内、写し可。千葉市は11項目 |
| 手数料 | 飲食店営業は16,000円。千葉市は現金持参、県は収入証紙かオンライン決済 |
申請の流れと期間|事前相談から許可証交付まで
流れは5段階です。事前相談、準備、申請、現地の施設調査、許可証の交付という順番で進みます。最初の事前相談を飛ばして工事を始めると、区画や手洗いの位置が基準に合わず、改修が必要になります。
1段階目が事前相談です。千葉県も千葉市も、必ず建築・改修工事の着工前に相談するよう案内しています。持参するのは、設備や器具の位置を書き込んだ図面と、施設の現状が分かる写真です。この段階で、必要な許可業種と施設基準の読み方を確認します。
2段階目が準備です。図面どおりに設備を整え、水道水以外を使う場合は水質検査を受け、食品衛生責任者の資格を確認し、必要なら養成講習会を受講します。
3段階目が申請です。書類と手数料を管轄の保健所に提出します。千葉市では、書類がそろっていればその場で書類審査があり、問題がなければ受理されます。受理後の申請内容の修正は原則できないため、提出前の確認が重要です。
4段階目が施設調査です。営業者が立ち会い、実際に設備を見てもらいます。施設基準に合っていない場合や、施設が未完成の場合は許可されません。
5段階目が許可証の交付です。ここから営業を開始できます。
処理期間は、千葉県の行政手続案内で標準処理期間が総日数15日間(土日・祝祭日を除く)とされています。千葉市は、申請から許可まで通常2週間前後と案内しています。どちらも目安で、繁忙期は延びます。
千葉市には運用の決まりがあります。施設検査の日は月・水・木で、希望する検査日の2週間ほど前までに申請します。検査時間は、検査日の前日(土日祝日を除く)の午後3時から4時の間に電話で確認します。許可証は、検査に合格してから翌々開庁日の午前9時以降に窓口で交付され、郵送はされません。申請書の郵送も受け付けていません。
千葉市保健所の食品安全課は、令和8年11月24日に千葉市中央区問屋町のポートサイドタワー12階から、千葉市総合保健医療センター(美浜区幸町1丁目3番9号)へ移転します。これから申請する場合は移転後の窓口になります。
オンラインで申請する場合は、厚生労働省の食品衛生申請等システムを使います。申請できる範囲、電子申請と窓口申請の使い分け、手数料のオンライン決済の手順は飲食店の営業許可と電子申請で詳しく説明しています。
窓口は、施設の所在地を管轄する保健所です。千葉県内の保健所は16の窓口(本所13、支所・地域保健センター3)があり、これに千葉市・船橋市・柏市の市保健所3か所を加えると19か所になります。
| 保健所 | 管轄区域 |
|---|---|
| 習志野 | 習志野市・八千代市・鎌ケ谷市 |
| 市川 | 市川市・浦安市 |
| 松戸 | 松戸市・流山市・我孫子市 |
| 野田 | 野田市 |
| 印旛(本所) | 佐倉市・四街道市・八街市・印西市・酒々井町・白井市・栄町 |
| 印旛(成田支所) | 成田市・富里市 |
| 香取 | 香取市・神崎町・多古町・東庄町 |
| 海匝(本所) | 銚子市 |
| 海匝(八日市場) | 旭市・匝瑳市 |
| 山武 | 東金市・山武市・大網白里市・九十九里町・芝山町・横芝光町 |
| 長生 | 茂原市・一宮町・睦沢町・長生村・白子町・長柄町・長南町 |
| 夷隅 | 勝浦市・いすみ市・大多喜町・御宿町 |
| 安房(本所) | 館山市・南房総市・鋸南町 |
| 安房(鴨川) | 鴨川市 |
| 君津 | 木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市 |
| 市原 | 市原市 |
| 千葉市 | 千葉市(市保健所) |
| 船橋市 | 船橋市(市保健所) |
| 柏市 | 柏市(市保健所) |
手数料|飲食店営業は新規16,000円
申請手数料は都道府県の条例で定められ、全国一律ではありません。千葉県の手数料一覧(令和3年6月1日現在)では、飲食店営業は新規申請16,000円、継続申請11,200円です。千葉市も同じ額を定めており、県内で飲食店営業を取る場合の公的な費用は16,000円が基準になります。
納付方法は2つです。千葉県の保健所では、千葉県収入証紙を貼る方法と、オンライン決済で納める方法があります。オンライン決済は、令和8年4月から、食品衛生申請等システムで電子申請した新規・継続の手数料を「ちば電子申請サービス」で支払えるようになったもので、対応する保健所が限られます。クレジットカードのほか、PayPay・d払い・auPAY・Pay-easyが使えます。
収入証紙は、令和8年12月末日で販売が終了します。購入済みの証紙は令和9年12月末日まで利用でき、未使用分の還付は令和13年12月末日までとされています。開業時期が年末をまたぐ場合は、入手方法を先に確認しておいてください。
千葉市で申請する場合は現金です。電子申請をした場合でも、申請が受理された後に窓口へ現金を持参する必要があります。納付した手数料は、千葉市衛生関係手数料条例第4条により還付されません。
| 区分 | 金額・内容 |
|---|---|
| 新規申請 | 16,000円 |
| 継続申請 | 11,200円 |
| 千葉県の納付 | 収入証紙またはオンライン決済(対応保健所のみ) |
| 千葉市の納付 | 現金持参。電子申請でも受理後に窓口へ |
| 還付 | 不可(千葉市衛生関係手数料条例第4条) |
参考までに、近い業種の手数料を並べておきます。菓子製造業は新規14,000円・継続9,800円、そうざい製造業は新規21,000円・継続14,700円、複合型そうざい製造業は新規25,000円・継続17,500円です。飲食店営業は32業種のなかでは中位に位置します。
許可後の義務|更新・変更届・罰則
許可は取って終わりではありません。有効期間が来れば更新し、事業の内容が変われば届け出ます。ここを落とすと、無許可営業や基準違反として扱われる可能性があります。
更新は、千葉県では許可期限が満了する当月中に申請します。満了前に現地の施設調査が行われ、申請書・図面・水質検査成績書・手数料という新規と同じ書類を提出します。オンライン申請とオンライン決済は完了まで時間がかかる場合があるため、満了が近い場合は書面で申請するよう案内されています。
変更届を出すのは、氏名や住所(法人は名称・所在地・代表者)、施設の名称や屋号、食品衛生責任者の氏名・資格・講習会、施設の構造及び設備に変更があった場合です。構造と設備を変えるときは図面を添付します。注意すべきは、営業者が別の者に変わる場合です。個人から法人へ、法人から個人へといった変更は変更届では処理できず、新しい営業者による許可申請か、事業譲渡による地位承継の手続きになります。
地位承継は、営業の譲渡、相続、合併、分割があったときに、許可営業者の地位を引き継ぐ制度です(法第56条)。承継した側は、その事実を証する書面を添えて、遅滞なく保健所に届け出ます。居抜きで店を買い取った場合も、この手続きか新規申請のどちらかになります。
廃業したときは廃業届を出します。放置すると、許可が残ったままの状態になります。
罰則も確認しておきます。許可を受けずに営業した場合、法第82条により2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金に処されます。よく「第81条」と書かれた解説がありますが、第81条は食品の販売禁止など別の違反に対する規定で、無許可営業の条文ではありません。施設基準に違反した場合も、法第83条第4号により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。
| 場面 | 手続き |
|---|---|
| 有効期間が満了 | 継続申請。満了する当月中に提出、満了前に現地調査 |
| 氏名・名称・責任者・設備の変更 | 変更届。構造設備の変更は図面を添付 |
| 営業者の交替(譲渡・相続・合併・分割) | 地位承継の届出(法第56条) |
| 個人から法人への変更 | 変更届では不可。新規申請か地位承継 |
| 廃業 | 廃業届 |
よくある質問
喫茶店ですが「喫茶店営業許可」を取ればよいですか
いいえ。令和3年6月1日以降、喫茶店営業は独立した業種として存在せず、飲食店営業許可を取ります。改正前に喫茶店営業の許可を受けていた店は、本来の有効期間が満了するまでは新たな許可を取らずに営業できますが、次の更新は飲食店営業として申請します。
居抜き物件を借りれば、すぐ営業を始められますか
始められません。前の店の許可は前の営業者に帰属するため、新しい営業者は自分で許可を取るか、事業譲渡による地位承継の手続きを踏みます。設備が前の店のまま使える場合でも、区画・手洗い・排水が現在の基準に合っているかを確認し、保健所の施設調査を受ける必要があります。
食品衛生責任者は店主以外でもなれますか
なれます。資格を持つ人、または養成講習会を修了した人であれば、従業員でも家族でも構いません。ただし、施設ごとに1名を定めて申請書に記載する必要があり、変更したときは変更届を提出します。
申請から何日で営業できますか
千葉県の標準処理期間は総日数15日間(土日・祝祭日を除く)です。千葉市は通常2週間前後と案内しています。いずれも施設調査の日程調整を含む目安で、繁忙期や書類の不備があると延びます。内装工事の完成日から逆算して、余裕を持った申請をおすすめします。
テイクアウトや出前に別の許可は必要ですか
飲食店営業の許可があれば、店内で調理した食品を持ち帰り用に販売することはできます。ただし、包装して継続的に卸売する場合は、そうざい製造業や菓子製造業など製造業の許可が必要になります。販売先を小売店やスーパーに広げる予定があるなら、開業前に業種の設計を見直してください。
まとめ|決める順番を間違えなければ迷わない
飲食店営業許可で決めることは3つです。どの業態として許可を取るか、施設をどの基準に合わせるか、誰を食品衛生責任者にするかです。この3つが決まれば、書類と手数料をそろえて保健所に出し、施設調査を受けて許可証を受け取るだけになります。
順番で失敗しやすいのは、内装工事を先に進めてしまうケースです。区画、手洗いの位置と個数、排水の勾配、冷蔵設備の温度計は、工事が終わってから直すのが最も高くつく部分です。図面の段階で保健所に相談すれば、この手戻りをほぼ防げます。
令和3年の改正で、喫茶店営業という業種名はなくなりました。古い情報で動くと、申請の入口でつまずきます。まず管轄の保健所に業態を伝えて、必要な許可業種を確認するところから始めてください。

