建設業許可の変更届は、変更の内容によって期限が2つに分かれます。商号・所在地・役員などの変更は変更後30日以内、経営業務の管理責任者や専任技術者の変更は変更後14日(2週間)以内です。従業員数が増減しただけの場合は変更届ではなく、事業年度終了届に添付して提出します。
この記事では、千葉県が公開している「建設業許可申請・変更の手引き」の記載に沿って、どの変更が何日以内なのか、どの様式を使い、何を添付してどこに出すのかを、変更事項ごとの早見表で整理します。千葉県知事許可の事業者を前提に、提出先と部数、電子申請の可否までまとめました。
先に結論
- 期限は30日以内と14日以内の2種類。人(経営業務の管理責任者・専任技術者)に関わる変更は14日以内
- 従業員数の変更と、従業員数の変更を伴う健康保険等の加入状況は、事業年度終了届にまとめられる
- 使う様式は様式第二十二号の二「変更届出書」が基本。交替を伴わない削除は様式第二十二号の三
- 千葉県知事許可の提出先は管轄の土木事務所(出張所)、部数は正本・写し・控えの3部
- 入札参加資格者名簿の記載事項に変更があった場合は、期限にかかわらず直ちに別途届出(千葉県の入札参加資格)
建設業許可の変更届とは
建設業許可を受けた事業者は、許可を受けた時点から許可申請書の記載内容が変わったとき、建設業法第8条・第9条にもとづいて変更届を提出する義務があります。
「変更届」とひとことで言っても、実際には3つの異なる手続きが混ざっています。
| 種類 | 対象 | 期限 |
|---|---|---|
| 変更届出書(様式第二十二号の二) | 商号・役員・資本金・営業所・専任技術者など | 30日以内/14日以内 |
| 届出書(様式第二十二号の三) | 交替を伴わない経営業務の管理責任者・専任技術者の削除 | 14日以内 |
| 事業年度終了届(決算変更届)への添付 | 使用人数、従業員数の変更を伴う健康保険等の加入状況 | 事業年度終了後4か月以内 |
まず自分が起こした変更がどれに当たるかを決め、そのうえで期限を確認する順番が確実です。建設業許可そのものの仕組みから確認したい場合は、千葉県の建設業許可(新規・更新・業種追加)で手続き全体を整理しています。
【早見表】変更事項ごとの期限一覧
千葉県の手引き(P67〜68「許可取得後の届出事項等」)に掲載されている変更事項を、期限ごとに並べました。手引きの通し番号も併記しているので、原本と照合しながら使えます。
| No. | 変更事項 | 期限 |
|---|---|---|
| 1 | 商号 | 変更後30日以内 |
| 2 | 営業所の名称・所在地 | 変更後30日以内 |
| 3 | 営業所の新設 | 変更後30日以内 |
| 4 | 営業所の廃止 | 変更後30日以内 |
| 5 | 営業所の業種追加 | 変更後30日以内 |
| 6 | 営業所の業種廃止 | 変更後30日以内 |
| 7 | 資本金額(または出資総額) | 変更後30日以内 |
| 8(1) | 役員等(法人の役員等)の新任・退任・代表者の交替・氏名変更 | 変更後30日以内/変更覚知後30日以内 |
| 8(2) | 役員等(法人の役員以外の者)の新任・退任・氏名変更 | 変更後30日以内/変更覚知後30日以内 |
| 9 | 個人事業主・支配人の改姓改名、個人の支配人の新任・退任 | 変更後30日以内/変更覚知後30日以内 |
| 10 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人 | 変更後30日以内 |
| 11 | 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の交替・追加・改姓改名・削除 | 変更後14日以内 |
| 12(1) | 常勤役員等および常勤役員等を直接に補佐する者の交替・追加・改姓改名・削除 | 変更後14日以内 |
| 12(2) | 専任技術者の追加・変更(業種・資格・営業所)・改姓改名・削除 | 変更後14日以内 |
| 13 | 健康保険等の加入状況(従業員数の変更を除く) | 変更後14日以内 |
| ― | 使用人数(様式第四号) | 事業年度終了届に添付 |
| ― | 健康保険等の加入状況(従業員数の変更を伴うもの) | 事業年度終了届に添付 |
表を見ていただくと分かるとおり、番号が11以降のものが14日以内です。手引きの並び順そのものが「重い変更ほど後ろ(=期限が短い)」という構成になっているので、番号で覚えると混乱しません。
変更後30日以内に届け出る変更
会社の外形や登記に関わる変更がここに入ります。法人と個人事業主で、一部の扱いが変わります。
法人の場合
- 商号の変更(商号変更・組織変更を含む)
- 本店・支店など営業所の名称または所在地の変更
- 営業所の新設・廃止
- 扱う業種の追加・廃止
- 資本金額の変更(増資・減資)
- 役員等の新任・退任・代表者の交替・氏名の変更
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の変更
個人事業主の場合
- 屋号(商号)の変更
- 営業所の名称・所在地の変更、新設・廃止
- 業種の追加・廃止
- 本人の改姓・改名
- 支配人の新任・退任、支配人の改姓・改名
役員が交代した場合、登記簿の変更日が起算点になるのが基本ですが、役員等の氏名の変更のように「変更を覚知した時点」が起算点になる事項もあります。登記と実際の把握のタイミングがずれるケースでは、どちらが起算点かを窓口で確認しておくと安全です。
なお、営業所を新設して同時に業種も追加する場合は、「営業所の新設」と「業種追加」の両方の届出が必要になります。1回の変更届でまとめて記載できますが、記載漏れが起きやすいところです。
変更後14日以内に届け出る変更
ここが実務でいちばん危ない部分です。30日ではなく14日です。
対象になる変更
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の交替・追加、改姓・改名、削除
- 常勤役員等および常勤役員等を直接に補佐する者の交替・追加、改姓・改名、削除
- 専任技術者の追加(交替に伴うものを含む)、変更(業種・資格・営業所)、改姓・改名、交替に伴う削除、削除
- 健康保険等の加入状況の変更(従業員数の変更を除く)
なぜ14日なのか
経営業務の管理責任者と専任技術者は、建設業許可の要件そのものです。この2つが欠けた状態が続くと、許可要件を満たさないまま事業を続けていることになります。だからこそ、他の変更より短い期限が設定されています。
いちばん多い失敗:役員変更と管理責任者の交替が重なる
取締役が退任し、後任を選任したとします。このとき同時に起きているのは次の2つです。
- 役員等の退任・新任 → 30日以内
- 経営業務の管理責任者の交替 → 14日以内
1つの出来事に見えても、期限の短いほうに合わせて動く必要があります。「役員の変更だから30日ある」と考えていると、14日の期限を過ぎてしまいます。
専任技術者が退職し、新しい有資格者を配置した場合も同じです。人が辞めたときこそ、まず14日を疑ってください。
事業年度終了届にまとめられる軽微な変更
すべての変更が変更届の対象になるわけではありません。次の2つは、変更届ではなく事業年度終了届(決算変更届)に添付して提出する扱いです。
- 使用人数(様式第四号):従業員数に変更が生じた場合のみ
- 健康保険等の加入状況(様式第七号の三):従業員数の変更を伴う場合
従業員が増減しただけなら、30日以内に別途変更届を出す必要はなく、決算変更届のタイミングでまとめて提出できます。ただし、健康保険等の加入状況でも従業員数の変更を伴わない変更(適用事業所の追加など)は14日以内の届出対象です。
この区分は判断に迷いやすいところです。事業年度終了届そのものの期限と必要書類は、千葉県の事業年度終了届(決算変更届)で詳しく整理しています。
変更届の必要書類
変更届そのものの様式は2種類です。
| 様式 | 使う場面 |
|---|---|
| 様式第二十二号の二「変更届出書」(第一面・第二面) | 通常の変更届。変更事項に応じた添付書類を添える |
| 様式第二十二号の三「届出書」 | 交替を伴わない経営業務の管理責任者・専任技術者の削除など |
主な添付書類
変更の内容によって添付する書類が変わります。代表的なものは次のとおりです。
- 役員等の一覧表(様式第一号別紙一)
- 誓約書(様式第六号)
- 常勤役員等証明書(様式第七号)、常勤役員等略歴書(様式第七号別紙)
- 常勤役員等および補佐者の証明書(様式第七号の二)
- 専任技術者証明書(様式第八号)、実務経験証明書(様式第九号)、指導監督的実務経験証明書(様式第十号)
- 健康保険等の加入状況(様式第七号の三)
- 株主調書(様式第十四号)
- 調書(様式第十二号)、使用人の一覧表(様式第十一号)
先に「何が変わったか」を確定させ、そこから必要な様式を逆算するのが確実です。様式から入ると、不要な書類をそろえたり、逆に足りない書類が後から見つかったりします。
書類の記載方法そのものは、建設業許可の書類の書き方完全ガイドで項目ごとに解説しています。
変更届の書き方のポイント
変更事項は「1件ずつ」ではなく「発生したもの全部」を書く
同じ時期に複数の変更が起きた場合は、1通の変更届にまとめて記載できます。ただし期限は事項ごとに異なるため、最も短い期限に合わせて提出することになります。
変更前と変更後を、対比で書く
変更届出書は、変更前の内容と変更後の内容を並べて記載する構成です。「変更後のみ」を書いてしまい、審査の途中で確認が入るケースが多く見られます。許可申請書の記載内容と照合しながら埋めてください。
添付書類の「確認資料」は別にとじる
千葉県の手引きでは、届出様式・添付書類とは別に「確認資料」を正本1部・写し1部で提出し、別にとじるよう定められています。ここを一緒にとじてしまうと、窓口で差し戻しになります。
千葉県の提出先・部数・郵送
千葉県知事許可の事業者の場合、提出先は管轄の土木事務所(出張所)です。どの土木事務所が管轄かは、手引きの裏表紙に一覧が載っています。千葉市内に事務所があっても、提出先は市役所ではなく管轄の土木事務所になります。
提出部数
- 届出様式・添付書類:正本1部、写し1部、申請者控え1部の合計3部
- 確認資料:正本1部、写し1部(届出様式・添付書類とは別にとじる)
郵送で出す場合
郵送でも受け付けてもらえます。次の2点を忘れないでください。
- 返信用封筒(送付先を記載し、切手を貼ったもの)を同封する
- 送り状に、日中連絡が取れる連絡先と担当者名を記載する
行政書士に依頼する場合
委任状が必要です。正本・副本・控えのそれぞれに添付します。
手数料
変更届に役所へ支払う手数料はかかりません。許可申請の手数料(知事許可の場合9万円)とは別の扱いです。
変更届の電子申請はできるのか
千葉県では、令和5年1月10日から建設業許可申請の電子受付を開始しています。電子申請は国土交通省の「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」を使い、GビズID(プライムまたはメンバー)の取得が必要です。GビズIDのエントリーではログインできません。
ただし、すべての手続きが電子で完結するわけではありません。承継の認可のように書面でしか受け付けていない手続きがあり、変更届が電子申請の対象になるかは手続きの種類によって異なります。また、国土交通大臣許可の申請・変更届は千葉県とは取扱いが異なります。
電子申請の仕組みと準備については、建設業許可の電子申請方法とメリットで解説しています。最新の運用は、提出先の土木事務所に確認するのが確実です。
提出から許可証の記載変更までの流れ
- 変更が発生する(登記、総会決議、退職など)
- 変更事項を洗い出し、期限(30日/14日)を確認する
- 必要な様式と添付書類をそろえる
- 管轄の土木事務所へ正本・写し・控えの3部を提出する
- 内容に不備があれば補正を求められる
- 審査のうえ、許可証の記載事項が変更される
変更届は許可申請ほど時間はかかりませんが、添付書類の不備で補正が入ると、その分だけ日数が延びます。期限が14日の手続きでは、補正のやり取りをしている間に期限を過ぎてしまうこともあります。期限が短い変更ほど、書類は先に準備しておくのが実務的な対策です。
許可を取得したあとに必要な手続き全体は、建設業許可取得後にするべきことにまとめています。
変更届を忘れるとどうなるか
変更届を出さないままにすると、次のような不都合が重なります。
- 許可証の記載と実際の会社の状態が一致せず、入札や取引先の与信確認の場面で説明を求められる
- 入札参加資格の審査で、許可内容と名簿の記載の不一致が問題になる
- 許可更新のときに、変更の経緯をさかのぼって確認される
- 行政からの指導や助言の対象になる
とくに経営業務の管理責任者や専任技術者が退任したまま届出をしていないと、許可要件を満たしていない状態が続いていることになります。この状態は、のちの更新審査で大きな負担になります。
更新の時期が近づいている場合は、変更届と更新申請のどちらを先に出すべきかで判断が分かれることもあります。建設業許可の更新手続きもあわせて確認してください。
また、公共工事の入札に参加するために経営事項審査(経審)を受けている場合、許可内容の変更が審査結果に影響することがあります。次の経審の時期とあわせて確認しておくと安心です。経営事項審査の仕組みは千葉県の経営事項審査(経審)で解説しています。
よくある質問
Q. 変更届の期限は「変更日」から数えますか
A. 多くの事項は変更後30日以内です。役員等の氏名の変更など、変更を覚知した時点が起算点となる事項は「変更覚知後30日以内」とされています。登記日と覚知日がずれる場合は、起算点を確認してください。
Q. 従業員が増えただけでも変更届は必要ですか
A. 従業員数の変更は、事業年度終了届に使用人数(様式第四号)を添付する扱いです。ただし健康保険等の加入状況の変更で、従業員数の変更を伴わないものは14日以内の届出対象です。
Q. 専任技術者が退職しました。何日以内に届け出ればいいですか
A. 14日以内です。後任を配置する場合は「専任技術者の追加(交替に伴うもの)」、後任を置かずに削除する場合は「削除」として届け出ます。交替を伴わない削除は様式第二十二号の三を使うケースに当たります。
Q. 役員が変わったときは30日以内でいいですか
A. 役員の退任・新任そのものは30日以内ですが、その役員が経営業務の管理責任者を兼ねていた場合は、交替として14日以内の届出が必要です。兼務している場合は短いほうの期限に合わせてください。
Q. 千葉市に事務所がありますが、提出先は千葉市役所ですか
A. 千葉県知事許可の場合、提出先は管轄の土木事務所(出張所)です。管轄は千葉県の手引きの裏表紙で確認できます。
Q. 郵送でも受け付けてもらえますか
A. 可能です。返信用封筒(送付先記載・切手貼付)を同封し、送り状に日中連絡が取れる連絡先と担当者名を記載してください。
Q. 変更届に手数料はかかりますか
A. 役所へ支払う手数料はかかりません。行政書士に依頼する場合は別途報酬が発生します。
Q. 建設業許可を承継した場合はどうなりますか
A. 事業譲渡・相続・合併などで建設業許可を承継する場合は、変更届ではなく承継の認可申請という別の手続きになります。建設業許可の承継で要件と流れを整理しています。
まとめ
- 変更届の期限は30日以内と14日以内の2種類。人に関わる変更(経営業務の管理責任者・専任技術者)は14日以内
- 従業員数の変更と、従業員数の変更を伴う健康保険等の加入状況は事業年度終了届にまとめられる
- 様式は第二十二号の二が基本。交替を伴わない削除は第二十二号の三
- 千葉県知事許可の提出先は管轄の土木事務所、部数は正本・写し・控えの3部、確認資料は別にとじる
- 入札参加資格者名簿の変更届は別途、期限に関係なく直ちに
「いつまでに、どの様式で、何部出すのか」を一度整理してしまえば、変更のたびに迷うことはなくなります。役員が変わった、専任技術者が辞めた、といったタイミングで、まず期限の確認から始めてください。
建設業許可の新規取得・更新・業種追加についても、あわせてご確認ください。
(内部リンク)建設業許可の新規取得・更新はこちら
出典
- 千葉県「建設業許可申請・変更の手引き」許可取得後の届出事項等(P67〜68 変更事項一覧、提出先・部数)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfudou/tetsuzuki/documents/kyokashutokugo.pdf - 千葉県「建設業許可の手引き」(電子受付の開始について)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfudou/tetsuzuki/kensetsu.html - 国土交通省「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00019.html
