はじめに
建設業許可を取得すると、「これで安心」と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、建設業許可は取得して終わりではありません。許可を維持するためには、毎年の届出や会社情報の変更手続き、5年ごとの更新など、継続的に行わなければならない手続きがあります。
これらを怠ってしまうと、更新申請ができなくなったり、公共工事への参加に影響が出たりする可能性もあります。
この記事では、建設業許可取得後に事業者が行うべき手続きや注意点について、行政書士が分かりやすく解説します。
建設業許可取得後に必要な主な手続き
建設業許可取得後に特に重要となる手続きは次の5つです。
- 決算変更届(事業年度終了届)の提出
- 変更届の提出
- 建設業許可の更新
- 許可要件の維持
- 公共工事を目指す場合は経営事項審査(経審)・入札参加資格申請
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 決算変更届(事業年度終了届)の提出
建設業許可を取得した事業者は、毎事業年度終了後に「決算変更届(事業年度終了届)」を提出する必要があります。
これは建設業法で定められている義務であり、建設業許可を維持するために欠かせない手続きです。
提出期限は、
事業年度終了後4か月以内
となっています。
例えば、3月決算の会社であれば7月末頃までに提出する必要があります。
主な提出書類
- 工事経歴書
- 工事施工金額
- 財務諸表
- 納税証明書(必要に応じて)
- 事業報告書(法人の場合) など
※提出書類は許可行政庁や許可区分によって異なる場合があります。
決算変更届を提出しないとどうなる?
決算変更届を提出していない場合、
- 建設業許可の更新ができない
- 業種追加申請ができない
- 経営事項審査(経審)が受けられない
など、今後の手続きに大きな影響が生じます。
「毎年必ず提出する書類」と覚えておきましょう。
2. 会社情報に変更があったら変更届を提出する
許可取得後に会社情報へ変更があった場合には、変更届を提出する必要があります。
代表的な変更事項は次のとおりです。
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 営業所所在地
- 資本金
- 役員
- 経営業務の管理責任者
- 営業所技術者等(専任技術者)
- 電話番号(自治体による)
例えば、
- 代表取締役が交代した
- 本店を移転した
- 専任技術者が退職した
といった場合には、期限内に届出を行わなければなりません。
変更内容によって提出期限は異なり、「30日以内」や「2週間以内」などの期限が設けられています。
変更があったら、できるだけ早めに確認・手続きを進めることが大切です。
3. 建設業許可の更新
建設業許可の有効期間は5年間です。
更新手続きを行わなければ許可は失効してしまいます。
更新期限を過ぎると、
- 建設業許可業者として営業できない
- 許可が必要な工事を受注できない
- 新たに許可を取得し直さなければならない
など、大きな影響があります。
更新手続きでは、これまで毎年提出してきた決算変更届も確認されます。
そのため、「更新前だけ準備すれば大丈夫」というわけではありません。
日頃から適切に書類を管理しておくことが重要です。
4. 許可要件を維持する
建設業許可は、取得後も許可要件を満たし続ける必要があります。
主な許可要件には、
- 経営業務の管理責任者
- 営業所技術者等
- 財産的基礎
- 誠実性
- 欠格要件に該当しないこと
などがあります。
例えば営業所技術者等が退職したまま放置すると、許可要件を満たさなくなる可能性があります。
人事異動や退職があった際には、許可への影響も確認しておきましょう。
5. 許可票(標識)の掲示
建設業許可を取得した事業者は、営業所へ許可票(標識)を掲示する必要があります。
来客や取引先が確認しやすい場所へ掲示しましょう。
また、商号や所在地などが変更になった場合には、標識の内容も修正する必要があります。
「許可は更新したけれど、標識は古いまま」というケースも見受けられるため注意しましょう。
公共工事を目指すなら経営事項審査(経審)も重要
建設業許可を取得しただけでは、公共工事へ参加することはできません。
公共工事へ参加するためには、
- 経営事項審査(経審)
- 入札参加資格申請
を行う必要があります。
経審では会社の経営状況や技術力などが点数化され、その結果を基に各自治体などへ入札参加資格申請を行います。
「今は民間工事だけだけど、将来的には公共工事にも挑戦したい」という事業者様は、早めに準備を進めておくことをおすすめします。
建設業許可取得後によくある質問
Q. 赤字でも決算変更届は提出しますか?
はい。
会社が赤字であっても、毎年提出する義務があります。
Q. 変更がなければ何もしなくても大丈夫ですか?
変更届は不要ですが、決算変更届は毎年提出しなければなりません。
Q. 更新のときだけ行政書士へ依頼すればいいですか?
更新だけでなく、毎年の決算変更届や変更届も合わせて依頼される事業者様が多くいらっしゃいます。
継続して管理することで、更新時の負担や提出漏れを防ぐことができます。
建設業許可を維持するためのポイント
建設業許可を維持するためには、期限管理が何より重要です。
特に次の3つは忘れないようにしましょう。
- 毎年の決算変更届を提出する
- 会社情報に変更があれば速やかに変更届を提出する
- 更新期限を把握し、余裕をもって準備する
この3つを意識するだけでも、更新時のトラブルを大きく減らすことができます。
行政書士へ依頼するメリット
建設業許可に関する手続きは、一つひとつは難しくなくても、期限管理や必要書類の確認など、日々の業務を行いながら対応するのは大きな負担となります。
行政書士へ依頼することで、
- 提出期限の管理
- 必要書類の作成
- 行政庁とのやり取り
- 更新時のサポート
- 業種追加や変更届への対応
などを任せることができ、本業に集中しながら安心して許可を維持できます。
まとめ
建設業許可は、取得して終わりではなく、取得後の適切な管理が重要です。
毎年の決算変更届や変更届、5年ごとの更新などを適切に行うことで、許可を維持し、安心して事業を継続することができます。
また、将来的に公共工事への参入を検討している場合は、経営事項審査(経審)や入札参加資格申請についても早めに準備を進めることをおすすめします。
行政書士法人LDパートナーズでは、建設業許可の新規取得だけでなく、決算変更届、各種変更届、更新申請、業種追加、経営事項審査(経審)、入札参加資格申請まで幅広くサポートしております。
「手続きを忘れないよう管理してほしい」「変更届が必要か分からない」「更新時期が近づいてきた」という方は、お気軽にご相談ください。

