自動車登録は、まず「どの登録か」を決めることから始まります。新規登録・移転登録・変更登録・永久抹消登録・一時抹消登録の5種類があり、必要書類も手数料も申請できる人も、この区分で変わります。種類を間違えると窓口で受理されず、その日のうちに終わりません。

この記事では、5種類の使い分けを前半で整理し、後半で千葉県内の窓口・必要書類・手数料を手続きの流れに沿って確認します。読み終えたときに、自分の車がどの登録に当たり、何をそろえてどこへ行けばよいかが決まっている状態を目指します。

登録が必要なとき

根拠は道路運送車両法(昭和26年法律第185号)です。同法第4条は、自動車のうち軽自動車・小型特殊自動車・二輪の小型自動車を除いたものを「自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない」と定めています。ここで除かれる3つを外したものが登録自動車、つまり普通自動車・小型自動車(三輪以上)・大型特殊自動車です。日常の言葉に直すと、普通車と小型トラックは登録、軽自動車と二輪は別の制度、という切り分けになります。

登録には、走行の許可という意味と、所有権を対抗できるようにするという意味の2つがあります。同法第5条は「登録を受けた自動車の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない」と定めています。車を売ってお金を受け取ったのに名義を残したままにすると、自分がまだ所有者として扱われます。相手が税を滞納すれば自分のところに請求が来ますし、事故を起こされれば所有者として呼び出されます。逆に買った側も、名義が移っていなければ自分の車だと主張できません。

もうひとつ見落とされやすいのが、ナンバープレートが付いていることと登録が正しいことは別だという点です。前の所有者の名義のままナンバーだけ付けて乗っている車は、道路上は走れても、登録の内容は実態と合っていません。この状態は、売買の決済が済んでいない、ローンが残っている、相続の話がまとまっていない、といった事情の現れであることが多く、後から解消しようとすると当事者が行方不明になっているなどの問題が起きます。登録の種類を早く決めることは、事務の効率ではなくリスクの大きさの話です。

登録の種類

道路運送車両法が定める登録は5つです。新規登録(第7条)、変更登録(第12条)、移転登録(第13条)、永久抹消登録(第15条)、一時抹消登録(第16条)。これに輸出抹消仮登録(第15条の2)が加わります。名称が似ていて紛らわしいので、まずは「何が変わったときの手続きか」で覚えるのが確実です。

種類使う場面
新規まだ登録がない車を、公道を走れる状態にする。新車の購入、中古車でナンバーが外れている車の取得、一時抹消した車の再登録
移転所有者そのものが変わる。売買、譲渡、相続、贈与、法人の合併による承継
変更所有者は変わらず、記録された事項が変わる。氏名・名称、住所、使用の本拠の位置、型式、車台番号、原動機の型式
永久抹消車がなくなる。解体、滅失、用途の廃止、車台の差し替え
一時抹消車は残すが、運行の用に供するのをやめる。長期保管、一時帰国、修理長期化、下取り前の保管
輸出抹消輸出する。輸出予定日の6か月前から申請できる(自動車登録規則第6条の5)
表1 登録の種類と使う場面

「移転」と「変更」の区別は、所有者が変わるかどうかです。売買で名義が移るのが移転登録、同じ人が引っ越して住所が変わるのが変更登録になります。ただし引っ越しで使用の本拠の位置が変わると、車庫証明の要否やナンバーの管轄も動くため、実務では変更登録とナンバー変更がセットで処理されます。移転登録の書類と流れは移転登録の手続きで、より細かい単位で追っています。

「永久抹消」と「一時抹消」の区別は、車を残すかどうかです。一時抹消は文字どおり一時的で、車検証を返納してナンバーを外し、あとで再登録できます。永久抹消は車自体がなくなる場合で、元に戻す前提がありません。下取りに出す前の車を一時抹消してしまうと、買い取った側が再登録の手間を負うことになるので、売却が決まっている車は抹消せずに名義変更で処理するのが一般的です。抹消の種類と使い分けは登録抹消の手続きの種類で整理しています。

申請できる人と期限

どの登録を誰が申請できるかは、自動車登録令(昭和26年政令第256号)が定めています。原則は共同申請で、同令第10条は「登録権利者及び登録義務者又はこれらの者の代理人が運輸監理部又は運輸支局に出頭して申請しなければならない」としています。ただし同令第11条で新規登録・永久抹消登録・輸出抹消仮登録・一時抹消登録は単独で申請でき、同令第12条で変更登録は登録名義人だけで申請できます。移転登録だけが共同申請のまま残っている、というのが実務感覚と一致する整理です。

種類期限と申請できる人
新規期限の定めなし。新所有者が単独で申請でき、自動車の提示が必要(法第7条第1項)
移転事由があった日から15日以内。新所有者が申請するが、譲渡人との共同申請が原則(法第13条、令第10条)
変更事由があった日から15日以内。登録名義人だけで申請できる(法第12条、令第12条)
永久抹消事由があった日から15日以内。解体の場合は解体報告記録を知った日から起算(法第15条)
一時抹消期限の定めなし。申請は任意で、運行の用に供するのをやめたとき(法第16条)
輸出抹消輸出予定日の6か月前から輸出する時まで(法第15条の2、登録規則第6条の5)
表2 申請期限と申請できる人

15日という数字は、過ぎたら手続きができなくなるという意味ではありません。過ぎても申請は受理されます。ただし遅れた分だけ、所有権を第三者に対抗できない期間が延びます。その間に元の所有者が倒産したり、車を二重に売ったり、税金を滞納したりすると、買った側が想定していなかった負担を負います。売買の決済と登録が同じ週に収まるのが理想で、遠隔地の売買ではこの15日を睨んで日程を組みます。

必要書類

書類は「登録の原因を証するもの」「本人・住所を証するもの」「保管場所を証するもの」「税と保険」の4系統に分かれます。この4系統で整理すると、種類ごとに何が増減するのかが見えます。

まず原因証書です。自動車登録令第14条第1項は、申請書に「登録の原因を証する書面」「登録の原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、これを証する書面」「代理人により登録の申請をするときは、その権限を証する書面」を添えて提出しなければならないとしています。売買なら譲渡証明書、相続なら戸籍謄本など(同令第18条)、リース車なら所有者の承諾書、代理申請なら委任状がこれに当たります。譲渡証明書の記載事項は道路運送車両法第33条第1項が定めており、譲渡の年月日、車名と型式、車台番号と原動機の型式、譲渡人と譲受人の氏名・名称および住所を書きます。同条第2項で「一両につき二通以上交付してはならない」とされているので、控えを取るつもりで二通作ると重複交付になります。

次に本人確認です。同令第15条は申請書への押印を求め、第16条は押印した申請書に印鑑に関する証明書を添付するものとし、その証明書は作成後3か月以内のものでなければならないとしています。ここに例外があり、第15条ただし書は変更登録の申請書については押印を要しないとしています。住所変更のような変更登録では、押印も印鑑証明書も不要というのが条文どおりの扱いです。移転登録は押印が必要で、譲渡人・譲受人の双方の印鑑証明書が要ります。

保管場所は車庫法(昭和37年法律第145号)の領域です。同法第4条第1項は、道路運送車両法第4条の処分、同法第12条の処分(使用の本拠の位置の変更に係るものに限る)、同法第13条の処分(使用の本拠の位置の変更を伴う場合に限る)を受けようとする者に、警察署長が交付する保管場所証明書の提出を求めています。読み替えると、新規登録は必要、住所変更型の変更登録も必要、移転登録は使用の本拠の位置が動く場合だけ必要、ということです。名義だけ変わる移転登録では車庫証明は要りません。ここは誤解が多く、詳しい要件と取り方は車庫証明の取り方で整理しています。

税と保険は、登録そのものの書類というより検査とセットで確認されます。新規登録では新規検査を同時に受けなければならず(法第59条第2項)、その検査の場で自賠責保険、自動車重量税、リサイクル料金の預託が確認されます。リサイクル料金は新規登録・新規検査と継続検査・構造等変更検査の場で預託の有無が確認され、預託されていないと登録も検査も受けられません。逆に移転登録と変更登録は検査を伴わないため、重量税の追加納付もリサイクル券の提示も求められません。この違いは費用の見積もりに直結します。

書類必要になる手続き
申請書すべて。種類ごとに様式が違う
譲渡証明新規(中古車)と移転。法第33条の記載事項を満たすもの
完成検査新規(新車)。完成検査終了証。電子化済みなら提出不要
印鑑証明新規と移転。3か月以内。変更登録は押印不要のため不要
委任状代理人が申請するとき。令第14条第1項第3号
住所証明変更(住所)と移転。3か月以内の住民票か印鑑証明書
車庫証明新規、使用の本拠が動く変更・移転。名義だけの移転は不要
車検証移転・変更・抹消。原本を持参する
ナンバー抹消では返納。管轄が変わるときは交換
リサイクル券新規。預託済みであることの確認
重量税新規。新規検査と同時に納付する
戸籍等相続・合併などの一般承継。令第18条
表3 必要書類の対応表

書類には有効期限があります。期限切れは窓口で最も多い差し戻し理由なので、集める順番を期限の短いものから決めると無駄が出ません。

書面期限の目安
印鑑証明作成後3か月以内(令第16条第3項)
住所証明発行後3か月以内。住民票の写しなど
車庫証明法令上の定めはなく、関東運輸局の実施要領で概ね1か月以内
完成検査終了証発行後の一定期間。期限切れは使えない
保安基準適合証検査の日から15日間
委任状定めはないが、申請日以降の日付にしない
表4 書面の有効期限

申請先と窓口

登録の申請先は、車検証に記載された使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所です。関東運輸局も「車検証に記載されている使用の本拠の位置を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所での手続きが必要」と明記しています。管轄違いは受理されません。自動車登録令第21条第1項第1号が、使用の本拠の所在地がその管轄に属しないときは申請を受理してはならないとしているためです。引っ越した直後に古い住所地の窓口へ行くと、書類が揃っていても受け付けてもらえません。

窓口所在地と管轄
千葉千葉市美浜区新港198。千葉市、銚子市、成田市、佐倉市、東金市、匝瑳市、旭市、四街道市、八街市、富里市、香取市、山武市、大網白里市、山武郡、香取郡、印旛郡酒々井町
野田野田市上三ヶ尾207番地22号。松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市
習志野船橋市習志野台8丁目57番1。市川市、船橋市、習志野市、八千代市、鎌ヶ谷市、浦安市、印西市、白井市、印旛郡栄町
袖ヶ浦袖ヶ浦市長浦580番地77。館山市、木更津市、茂原市、勝浦市、市原市、鴨川市、君津市、富津市、袖ヶ浦市、いすみ市、南房総市、安房郡、夷隅郡、長生郡
表5 千葉県内の登録窓口と管轄区域

千葉県は4か所に分かれています。千葉運輸支局が千葉市と東葛・北総の一部を除く広い範囲、野田が松戸・野田・柏・流山・我孫子、習志野が市川・船橋・習志野・八千代・鎌ヶ谷・浦安・印西・白井・栄町、袖ヶ浦が木更津以南の房総半島を担当します。同じ千葉県内でも、引っ越しで管轄が移るとナンバーの地名も変わります。

窓口の受付時間は、登録が平日の8時45分から11時45分までと13時から16時までです。土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)は閉庁です。書類作成に時間がかかるため、終了時刻の30分前までに来るよう案内されています。月末は登録申請が集中し、年度末の3月下旬は待ち時間が長くなると明示されているので、余裕のない案件は月末を外して組むのが実務的です。

電話は検査・登録ヘルプデスク(050-5540-2022)が24時間自動音声で案内しており、オペレーターにつなぐ場合は平日8時30分から12時までと13時から17時15分までです。音声案内で登録関係は「037」、検査関係は「02181」を押す仕組みになっています。管轄の確認や必要書類の最終確認はここで済ませると、窓口での差し戻しを避けられます。

窓口に出向く必要があるのは、自動車登録令が共同申請と出頭を原則にしているためです。同令第21条第1項第3号は、電子申請の場合を除き、当事者が出頭しないときは申請を受理しないとしています。代理人が行く場合も、同令第14条第1項第3号の権限を証する書面、つまり委任状が必要です。移転登録は共同申請なので、譲渡人と譲受人の双方から委任を受ける形になります。

窓口での記入負担を減らす仕組みもあります。関東運輸局は令和7年2月6日から「登録手続き申請書メーカー」を管内で運用しており、実施場所に千葉運輸支局と野田・習志野・袖ヶ浦の各自動車検査登録事務所が入っています。申請書を手書きする代わりにスマートフォンなどの入力フォームに必要事項を入れ、窓口の二次元バーコードリーダーにかざすと申請書が印刷される仕組みです。対象は軽自動車を除く自動車と250ccを超えるバイクの移転登録・変更登録・一時抹消登録・輸出抹消・車検証再交付・所有権留保の解除・予備検査・継続検査で、電子車検証があればICタグの情報を読み込んで入力を省けます。

車の区分窓口
普通運輸支局または自動車検査登録事務所。登録手数料と検査手数料
小型同じく運輸支局等。登録手数料と検査手数料
軽軽自動車検査協会。登録手数料はなく検査手数料のみ
二輪小型二輪は運輸支局等、軽二輪は軽自動車検査協会
特殊大型特殊は運輸支局等。小型特殊は登録の対象外で、市町村への届出
表6 車の区分と窓口

新規登録と、ナンバープレートの変更を伴う手続きでは現車の持ち込みが必要です。関東運輸局が明記している要件で、車台番号の打刻と車両の状態を窓口で確認するためです。車を持っていけない場合は、予備検査証や完成検査終了証で提示に代えられる場合があります(法第7条第3項)。

手数料

登録の手数料は、道路運送車両法第102条第1項にもとづき、道路運送車両法関係手数料令が額を定めています。納付は自動車検査登録印紙で行うのが原則です(同条第5項)。そして令和8年4月1日に法定手数料が改定されました。国土交通省が公表した改定表によると、窓口申請の新規登録は完成検査終了証の有無にかかわらず1,300円(改定前は900円または700円)、移転登録は700円(同500円)、変更登録と一時抹消登録は500円(同350円)になっています。少し前の記事や業者の料金表が古い金額のまま残っているので、見積もりを取る前に必ず現在の額を確認してください。

手続き窓口申請/OSS申請
新規1,300円/新車700円・中古車750円
移転700円/600円
変更500円/450円
一時抹消500円/450円
輸出抹消500円/500円
永久抹消かからない/かからない
現在証明400円/400円
表7 登録手数料(令和8年4月1日改定)

表で目を引くのは永久抹消登録です。手数料令の対象手続きに永久抹消登録が入っていないため、登録そのものに手数料はかかりません。ただし廃車証明として登録事項等証明書を取る場合は400円かかります。書類だけを見て「抹消も数千円かかる」と見積もると過大になり、逆に証明書の分を忘れると不足します。

登録手数料とは別に、検査手数料がかかります。新規登録では新規検査が同時なので、普通自動車と小型自動車は窓口申請で2,400円、OSS申請で2,100円が上乗せされます。継続検査や持込検査は区分ごとに額が違うため、登録と検査を合わせた総額で比較する必要があります。ナンバープレートの代金も別枠で、これは国や自治体の手数料ではなく交付代行者が実費に応じて収受するものです(法第27条)。

自動車税(種別割)と軽自動車税(種別割)は登録の手数料ではありませんが、費用の話として一緒に片づけておきます。どちらも4月1日現在の所有者に1年分が課税され、年度の途中で名義が変わっても行政の側で月割りにし直される仕組みはありません。つまり4月2日に売買が成立した場合、その年度の税金は前の所有者に課されたままで、精算は当事者間の取り決めになります。売買契約で「税金は年度末まで売主負担」と決めていても、納付義務者はあくまで4月1日の所有者です。未納があると継続検査で納付確認ができず、車検を受けられないまま乗り続けることになるので、名義変更の前に売主の納付状況を確認しておくと安全です。

ナンバーと封印

登録が済むと、自動車登録番号が通知され、ナンバープレートが交付されます。道路運送車両法第11条は、番号の通知を受けた所有者が、番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣または自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、これを車に取り付けた上で、国土交通大臣または封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない、と定めています。交付と封印は別の手続きで、交付窓口でプレートを受け取り、自分で取り付けてから封印の列に並ぶ、という順番になります。

封印は、プレートが正規に交付されたものであることを示す金属製の標章です。取り付けるのは運輸支局等の職員か、委託を受けた封印取付受託者です(法第28条の3)。自分で付けられません。そして封印があるのは登録自動車だけで、軽自動車には封印がありません。軽自動車のナンバーに封印らしきものが付いていないのは不備ではなく、制度上そうなっています。

抹消するときは逆の手順になります。同法第20条は、永久抹消登録・輸出抹消仮登録・一時抹消登録を受けたとき、または番号の変更通知を受けたときは、遅滞なくナンバープレートと封印を取り外し、国土交通省令で定める方法で破壊・廃棄するか、国土交通大臣または交付代行者に返納しなければならないとしています。プレートを付けたまま抹消申請すると、返納の扱いで止まります。付け外しには工具が要るので、窓口に行く前に外しておくと待ち時間が短くなります。

希望番号を取る場合は、事前に予約して予約済証を用意します。引き換えには有効期間があり、記載された交付可能日から1か月以内に窓口へ行く必要があります。事業用自動車、レンタカー、駐留軍関係の車は希望番号制度の対象外です。図柄入りナンバーも交換申請として別扱いになります。

電子申請(OSS)

自動車保有関係手続のワンストップサービス、通称OSSは、登録と検査の申請をインターネットで一括して行う仕組みです。国土交通省の案内では、三輪以上の自動車について、新車新規登録、中古車新規登録、移転登録、変更登録、一時抹消登録、永久抹消登録(自動車重量税の還付あり・なしの双方)、移転一時抹消登録、移転永久抹消登録、変更一時抹消登録、継続検査が申請できます。小型二輪と軽二輪にもそれぞれのメニューがあります。

OSSで変わるのは、申請書の提出と納付の方法です。窓口に書類を持って行く代わりに画面から申請し、自動車重量税や手数料を電子納付できます。車庫証明の申請も一括で扱えるため、警察署と運輸支局を別々に回る手間が減ります。手数料も表7のとおり窓口より安く設定されています。

一方で、OSSでも変わらないものがあります。ナンバープレートの交付と封印の取付けは窓口です。新規登録やナンバー変更のように現車の提示が必要な場面も残ります。添付書類の原本確認を求められることもあります。電子申請は窓口をなくす仕組みではなく、窓口に持ち込む書類と待ち時間を減らす仕組みだと考えると、段取りを誤りません。申請にはマイナンバーカードなどの電子証明書と、ICカードリーダーまたは対応するスマートフォンが必要です。操作で迷ったときは、国土交通省ワンストップサービス・ヘルプデスク(050-5540-2000、平日8時30分から17時まで、12時から13時を除く)に確認できます。

注意すべきなのは、軽自動車はこのOSSの対象外だという点です。軽自動車には軽自動車検査協会が運営する別のワンストップサービスがあり、窓口も手数料も別系統になります。普通車のつもりでOSSのアカウントを作っても、軽自動車の手続きは進みません。

軽自動車の場合

軽自動車は、この記事で扱ってきた登録の仕組みから外れます。道路運送車両法第4条が軽自動車を除いているため、軽自動車に「登録」はありません。代わりに、同法第59条の新規検査を受け、同法第60条にもとづいて車両番号の指定を受ける、という流れになります。関東運輸局も「軽自動車(四輪車)は軽自動車検査協会での手続きとなります」と明記しています。窓口が違うだけでなく、根拠条文も手数料も変わるので、普通車と同じ感覚で書類を揃えると足りません。

千葉県内の窓口は軽自動車検査協会 千葉事務所(千葉市美浜区新港223番地8号)です。電話は050-3816-3114、受付は平日8時45分から11時45分までと13時から16時まで、土日祝日と年末年始は休みです。新規検査は事前予約が必要で、予約なしで持ち込んでも受検できません。ここは運輸支局との大きな違いです。

手数料の構造も違います。軽自動車には登録手数料がなく、かかるのは検査手数料です。新規検査は窓口申請で2,400円(検査手数料2,000円と技術情報管理手数料400円)、OSS申請で2,100円、持込検査で2,800円と案内されています。名義変更は手数料無料で、ナンバープレートの代金などが別途必要になる場合だけ実費がかかります。普通車の移転登録が700円かかることを考えると、この差は大きいものです。

新規検査でそろえるものは、完成検査終了証(電子化された情報が登録情報処理機関に提供済みなら不要)、使用者であることを証する書面つまり譲渡証明書など、使用者の住所を証する書面(発行後3か月以内の住民票の写しまたは印鑑証明書)、ナンバープレートです。これに軽自動車税の申告書が加わります。名義変更のときは車検証の原本、住所を証する書面(使用者や住所に変更がある場合)、使用の本拠の位置の管轄が変わる場合のナンバープレート、自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)を用意します。普通車の移転登録で必要だった譲渡証明書と印鑑証明書が、軽の名義変更では必須になっていない点は、混同しやすいところです。

保管場所の扱いも別です。軽自動車は車庫証明ではなく、車庫法第5条の保管場所届出になります。新たに運行の用に供しようとするときに、保管場所の位置を管轄する警察署長へ届け出る形で、証明書の交付を受けるのではありません。ただし使用の本拠の位置が変わる場合は、同法第7条により変更した日から15日以内の変更届出が必要です。手続きの場が軽自動車検査協会でも、保管場所の届出は警察署側の手続きとして残ります。

軽自動車に封印がないことも、普通車との違いです。ナンバーは交付されますが、封印の取付けはありません。中古車を買って「封印がない」と不安になる必要はなく、制度上そうなっています。事業用の軽自動車、いわゆる黒ナンバーは用途変更を伴うので手続きが別になります。詳しくは黒ナンバーの取り方で扱っています。

よくある不備

窓口で止まる原因は、大きく分けて4つです。管轄、期限、記載の不一致、そして同時に必要な手続きの漏れです。

第一に管轄違いです。引っ越した直後は、車検証の使用の本拠の位置が旧住所のままになっています。新しい住所地の窓口に書類を持って行っても、車検証の記載が旧住所なら旧管轄の案件として扱われ、受理されません。まず変更登録で使用の本拠の位置を移し、そのうえでナンバーを交換する、という順番になります。

第二に期限切れです。印鑑証明書と住所証明は作成後3か月以内、車庫証明は概ね1か月以内が目安です。書類を集め始めてから窓口に行くまでに時間が空くと、揃ったはずの書類が使えなくなります。逆に、集める順番を期限の短いものからにすれば、この事故はほぼ防げます。

第三に記載の不一致です。譲渡証明書の譲渡人の住所が旧住所のまま、車庫証明の保管場所の所在地と使用の本拠の位置が別の市、法人名が登記と違って略称になっている、といったものです。窓口は記載内容と登録原因証書の符合を審査するため(自動車登録令第22条第2項)、一箇所の不一致で全部が止まります。

第四に、同時に必要な手続きの漏れです。新規登録では新規検査が同時でなければならず(法第59条第2項)、検査の分の自賠責保険・重量税・リサイクル料金の預託が揃っていないと登録まで進みません。移転登録では譲渡人と譲受人の双方の委任状と印鑑証明書が要ります。リース車は所有者の承諾書がないと申請できません。抹消ではナンバープレートと封印を外して持って行く必要があります(法第20条)。

最後に混雑です。月末と年度末の3月下旬は窓口が混み、待ち時間が長くなると公式に案内されています。受付は16時までですが、書類作成に時間がかかるため30分前までに来るよう求められています。16時ちょうどに着いて間に合うとは考えない方が安全です。

よくある質問

名義変更だけなら車庫証明は要りませんか

使用の本拠の位置が変わらなければ不要です。車庫法第4条第1項が保管場所証明書の提出を求めるのは、新規登録、使用の本拠の位置の変更に係る変更登録、使用の本拠の位置の変更を伴う移転登録の3つです。同じ住所で名義だけ変わる移転登録はこのどれにも当たりません。ただし移転と同時に引っ越す場合は必要になります。

15日を過ぎてしまいました。もう手続きできませんか

手続きはできます。15日は申請義務の起算点であって、過ぎた申請を拒む規定ではありません。ただし遅れた期間は、所有権を第三者に対抗できない状態が続きます。税の滞納や事故のリスクはその間に積み上がるので、気づいた時点で早めに申請してください。相続のように原因が昔にさかのぼる場合も、まず窓口で事情を伝えて進め方を確認するのが早道です。

平日に行けません。郵送や代理では無理ですか

郵送は受け付けられません。自動車登録令第21条第1項第3号が、電子申請の場合を除き当事者が出頭しないときは受理しないとしているためです。代わりに代理人が行くことはでき、その場合は同令第14条第1項第3号の権限を証する書面、つまり委任状が必要です。移転登録は共同申請なので、譲渡人と譲受人の双方から委任を受ける形になります。平日に動けない場合はOSSで電子申請し、ナンバーの交付と封印のときだけ窓口に出向く、という組み立てが現実的です。

手数料はいくらですか

令和8年4月1日改定後の額で、窓口申請は新規登録1,300円、移転登録700円、変更登録500円、一時抹消登録500円、永久抹消登録はかかりません。OSS申請は新規登録が新車700円・中古車750円、移転600円、変更450円、一時抹消450円です。これとは別に、新規登録では新規検査の手数料(普通・小型で窓口2,400円)と、ナンバープレートの実費、自動車重量税、自賠責保険、リサイクル料金がかかります。

軽自動車も同じ窓口ですか

別の窓口です。軽自動車は登録の制度から外れており、軽自動車検査協会で新規検査と車両番号の指定を受けます。千葉県内なら軽自動車検査協会 千葉事務所です。登録手数料はなく、かかるのは検査手数料で、名義変更は手数料無料です。新規検査は事前予約が必要な点も、運輸支局との違いです。

まとめ

自動車登録で最初に決めるのは、5種類のどれに当たるかです。所有者が変わるなら移転、同じ人の記載が変わるなら変更、車を残して使わないなら一時抹消、車がなくなるなら永久抹消、まだ登録がないなら新規。この判断が決まれば、必要書類も手数料も窓口も自動的に決まります。

実務で押さえるべき点は3つあります。ひとつは管轄で、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局か自動車検査登録事務所でしか受け付けてもらえないこと。ふたつは期限で、印鑑証明と住所証明は3か月以内、車庫証明は概ね1か月以内、そして事由があった日から15日以内という申請義務があること。みっつは同時手続きで、新規登録には新規検査が伴い、移転登録には双方の書類が要るということです。

手数料は令和8年4月1日に改定され、窓口申請の新規登録は1,300円、移転登録は700円になりました。OSSを使えば申請書の提出と納付をネットで済ませられ、手数料も安くなります。ただしナンバーの交付と封印は窓口に残ります。軽自動車は登録ではなく検査の制度で、窓口も手数料も別系統です。

自分で手続きするか、代行を頼むかは、平日に動けるかどうかと、書類の不一致を自力で潰せるかどうかで決まります。報酬を得て他人の自動車登録を代行できるのは行政書士に限られ、この点は改正行政書士法で明確になりました。詳しくは車庫証明・自動車登録の代行と行政書士法で確認できます。千葉県内の手続き全体は車庫証明・自動車登録の手続き代行にまとめています。